【レビュー】小説『ハサミ男』(殊能将之)
こんばんは、レビュアーの御前ちゃんです。
ほんと、お久しぶりよね。いろいろ忙しかったの。でもね、結構本とか漫画とか読んだから、レビューできるものが結構あるの。
今日はまず、私の復帰一作目として、殊能将之さんのハサミ男 (講談社文庫)という作品をレビューしようと思うの。
ジャンルはミステリーになるみたいね。
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。(Amazonより)
私ってこういう猟奇的なものには目がないの。ハサミを首に突き立てる猟奇殺人鬼、っていったら、もう読まないわけにはいかなかったのよね。今回は復帰一回目のレビューだから、力が入ってるし、ネタバレというか、考察めいたことをしようと思うの。その前に、この本に出てくるXTCのScissor Manっていう曲を紹介しておくわね。なかなか面白い曲。
こっからネタバレなんだから❢❢まだ読んでない人は読まないでね~
こういう形式のトリックを叙述トリックっていうみたいなのね。これだけいろんな推理小説とか読んできたわりにはそういうトリックの種類知らなくて、すっごく恥ずかしいけど自分にびっくりしちゃった。Wikipediaによると、叙述トリックは、
小説という形式自体が持つ暗黙の前提や、偏見を利用したトリック。典型的な例としては、前提条件として記述される文章は、地の文や形式において無批判に鵜呑みにしてもいいという認識を逆手にとったものが多い。登場人物の話し方や名前で性別や年齢を誤認させる、作中作(劇中劇)を交える、無断で章ごと(時には段落ごと)の時系列を変えることで誤認させるなどがある。(Wikipedia)
ということらしんだけど、その一例にアガサ・クリスティーのアクロイド殺しがあがってて、あ、なるほど❢って思った。アガサ・クリスティーのポワロは全部読んでたんだけど、叙述トリックって言葉知らなかったから、いまさらながら勉強になったなあ。
それで、ハサミ男なんだけど、私、読んでて、2人の殺人犯のうち、1人の方は結構早くわかったの。Hさんね でも、もう1人の方は全然わからなくて最後読み進めても、え?、どうなってるの?ってかんじでちんぷんかんぷん。最後までとりあえず読んで、なるほど、本物のハサミ男だと思ってた人間は犯人でも何でもなく単なる目撃者で、実際のハサミ男の方は実はC(下の名前)さんが犯人だったと。そこはへえ、そうですか、って納得というか、そういうものかと思ったんだけど、そもそもCさんが突然出てきて、何者か意味不明だったの。もう一度読み直すのも時間かかるでしょ。私そういうの、嫌だから、ネットで解説してるサイトとか読んで、やっとこさ、あ、なるほど、あの時のあの人がCさんだったのか、ってわかったの。
これが叙述トリックのすごさなんでしょうね。まんまと騙されたなあ。
でもね、Cさんの印象をもう少しつけてもらったほうが良かったんじゃないかなって思ったんだけど。だって、最後に出てきたとき、誰この人状態だったから 😯
それとね、なんでハサミを喉に突き立てなきゃならないのか、っていう説明がもっと欲しかったなあ。もっと掘り下げた感じで。自殺未遂もそう。死ねないような死に方を毎週するっていうのが、なんで?って。そんなに死にたければビルの屋上に行って飛び降りでもすればいいのに、結構お金を使って手間ひまかけて自殺を試みるんだけど、死なないでしょ。ということは、なんというかな、複雑な心情がありそうな気がするの。死にたいけど死にたくはない。なんかそこらへんのことをもう少し掘り下げて書いてあったらもっと面白かったのかなあ、って思うんだけど。
それにありえなそうな偶然がちょくちょく起こるわけなんだけど、別に偶然にしなくてもうまくできたんじゃないかな、とも思ったり。
とかなんとか色々書いたけど、読んで大満足だったんだから❢❢
殊能将之さんの他の小説も読んでみようと思う。
ハサミ男に出会えてよかった 😛
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