tofutegaki
こんにちは、レビュアーの豆腐ちゃんよ。
タブロイド紙の一説ではあたしがシんだって噂も流れていたみたいだけど、この通りぴんぴん健在よ。
今日は三浦綾子の名作をレビューするわね。

先にアマゾンに載っている「BOOK」データベースの紹介文を引用するわね。
上巻「辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた―。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。」
下巻「海難事故で出会った宣教師の行為に心打たれた辻口は、キリスト教に惹かれていく。しかし夏枝を許せず、陽子への愛情も生まれない。夏枝は陽子に気づかれないように冷たい仕打ちを続けている。兄・徹は陽子に愛情をそそぐが、思いを自制するために友人・北原に陽子を紹介した。北原と陽子は心通わせるが、夏枝は複雑な嫉妬心から、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう。人間の愛と罪と赦しに真正面から向き合う不朽の名作。」
あたしがこれを夢中で最後まで読んだのは認めるわ。
今みたいに「三人称一元視点」ってのが完全に確立される前の時代の作品だから、登場人物全員の心情が丁寧にえぐり出されているのよね。罪と罰。罪と赦し。愛。
そんなテーマに真正面から切り込んだという点で、この作品は名作よ。
だけど、あたしはもっと個人的な観点から感想を書きたいの。ぶっちゃけあたしにとって、この作品で得た大きな体験は3つあったわ。
1.救いようのないビ○チの夏枝が自分の過ちの代償を思い知るシーンに最高のカタルシスを覚えたのに、それでも最後まで改心しない夏枝の悪女ぶりにひたすらむかつくという体験。
2.途中から急に主人公っぽくなってくる養女の陽子ちゃんの、人間離れした天使のような心に感動して、ビ○チ夏枝をやり込めていくことにカタルシスを覚えながら、それでも徹くんへのつれなさに残念さを禁じ得ないという体験。
3.徹くんの陽子ちゃんへの片想いに萌えるという体験。→ぶっちゃけこれが一番だったわ!(笑)
「浅い感想じゃね?」と思った方々、ごめんなさい。
そんな人は、この続きは読まずにシャワーを浴びることをおすすめするわ。実はあたし、この『氷点』のネット上の感想を見てびっくりしたの。
ビ○チの夏枝に共感する人がやけに多い気がしたのよね。
彼女の行動を批判しつつも、「それが人間の弱さだと思います」的な。
やだあああ! 何よそれ!
ぶっちゃけ、この作品が超名作で傑作であることを先にはっきりと言っておいた上での話なんだけど、この作品のキャラって、リアリティが少ない気がするのよね。
デフォルメされているのよ。現実に夏枝みたいなビ○チが存在するとは思えないわ。
基本的に不倫したら社会的に抹殺されるものでしょ、芸能人でも何でもすぐに謝罪会見とか開くじゃない。
この夏枝みたいに、自分の不倫行為(股を開いてないから大丈夫なんてナメた擁護は頂けないわ)を開き直って、最後まで自分の罪を認めない女性なんて、あたしはいないと思うわよ!
この作品、夏枝の心情もちゃんと垂れ流されているのよね。
ここまで開き直った悪女が現実に存在するとは思えないわ。
いるとしても、たいていは変な事件でも起こしてムショで大人しくしていると思うの。
間違ってもこんな堂々と、いつまでもおうちにいたりはしないと思うわ。要は夏枝って、所詮「モテてるアタシってなんて可愛いんだろぉぉぉぉぉ(かっこハートマーク)」みたいなお花畑脳で不倫に走ったおバカさんでしょ。
まあ、恋する気持ちって人それぞれだし、結婚してから別の赤い糸を見つけちゃって「やだあたしって選択ミスったんじゃねぇぇぇぇぇぇ?」って後悔する人がいる事実も否定はしないわ。
でも、子供がいる家庭でそれは許されないし、離婚するなりなんなり、はっきりさせるべきよね。
まあこの作品の時代背景があるのは認めるけど。
結局この夏枝って、恋愛ゲームを楽しんでただけじゃない。
自分がモテてるって思い込みで悦に入るおバカさんよね。
もっともっと、狂おしい情念がわき上がるような不倫関係だったら、あたしも少しは同情したわ。
でも彼女の場合、高校とかで彼氏と付き合ってるのにわざと他の男の子に抱きついてきゃっきゃっする変な子と変わらない気がするのよねー。だからあたしは、この夏枝には全く同情も感情移入もしないし、さっさとバチが当たってほしいと心から思ったわ。でね、不倫の被害者である夫の啓造が一番悪い、なんてレビューをあちこちで見かけたのよね。
まあ、彼が陽子ちゃん事件の原因なのはその通りだけど。
何にしろ、実の娘のルリ子を死に追いやった殺人の責任者は夏枝一人なわけよ。
しかもしんだ後まで不倫絶賛続行中だったわけだから、何されても文句言えないわ。それにね、啓造はちゃんと次第に陽子ちゃんに愛情が芽生えていったのよ。
徹くんと結婚することには反対だったけど、それでも陽子ちゃんをちゃんと愛していたと思うわ。
陽子ちゃんの出生の秘密(実際は○○だけどねw)を知った途端意地悪モード発動になった、自分棚上げビ○チの夏枝とは大違いよ。

啓造のやったことはもちろん適切ではないわ。
でも、あたしの持論だけど、何事も最初に仕掛けたやつが全部悪いのよ。
よくあったのよねー、小学校とかで。
やった子とやり返した子を同じように叱る事件。
それは正しいことだと思うのよ。
でもそれはね、あくまで社会として見た場合だわ。
みんながみんなやり返したら社会が崩壊するから、仕方なく仕返しを禁止しているのよ。
あとは、法の力に頼りましょうとかね。
でも、誰が悪いっていうのは、最初にやったやつが悪い以外の結論は見出せないわ。

ぶっちゃけ、この上下巻にわたる壮大な事件が起きた全ての原因は、夏枝の「モテてるアタシって可愛いものぉぉぉぉぉぉぉぉ」的お花畑脳不倫モードなのよ。
このおばさんがまともだったら、ぶっちゃけ何も起きなかったのよ。
秘密を知った徹くんに罵倒される夏枝、ザマアって思ったわ!
徹くんは啓造も責めたけどね。
徹くんの気持ちも分かるし、啓造は確かにいけないことをしたわ。
だけど、夏枝が全ての原因なのよ。
こんな女にどうやったら共感できるのか、あたしには分からないわ。ぶっちゃけ、あたしみたいな浅い読者は、徹くんと陽子ちゃんの天使具合を拝んで萌えるってのが、この作品一番の見所だったわ、って言うと失礼かしら?
もちろん最後は感動したし、罪と赦しってテーマも迫るものがあったわよ。
でもそういうレビューはあちこちで読めるから、あたしは個人的に感じた別のことをこうやってぶちまけてるわけね。続編を読む前にネタバレ見ちゃったけど、徹くんと陽子ちゃんの恋模様がとんでもない方向に行くみたいだから、あたしはその続編を支持しないわ。徹くんの純粋さとヘタレさには萌え萌えだったわ。
陽子ちゃんのターミネーター並みの完璧人間さにも惚れ込ませてもらったわよ。

それにして、夏枝むかつくわねーw
あたしも不倫したら共感できるのかしら?
ちょっとそれは難しいわねー(笑)。

啓造が一番悪いっていう感想が多いこともびっくりだったけど。
世の中はビ○チに優しいのかしら。あたしの感想見てむかついた人は許してちょうだい。
そもそも、こんなあたしの写真(笑)がある時点で、あたしがフツウのレビュアーじゃないことはバレバレなのよ。
失望させたならお詫びするわ。この『氷点』が、純粋な意味で感動することは間違いないから、みんなにもおすすめするわよ。
あたしの個人的感想にどこまで共感するかは人それぞれだけどね。じゃ、今日はこのへんにするわ。バイバイ、心からあなたを愛してるわよ。

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